陽と月/家政

太陽と月 でもし家康が売り言葉に買い言葉で手を出しちゃったら話。短い。             

 


家康は二人が裸で睦んだ後の布団の中で頭を抱えていた。

「…まさか…ワシが独眼竜の初めての相手だったとは」
「相当遊んでるとでも思ってたみてーな言動だったよな」
「百戦錬磨のような貌をして誘う奴がまさか未経験だとは思わんだろう!」
「経験があるなんてことはひとっことも言ってねーぜ。
こう観えて意外と身持ちは固い方でな」

「そ…確かにそう…か
ああもう部下に顔向けが出来ん…!」
「独眼竜の口車に乗っちゃいましたー、
とでも言えば良いだろ」
「言えるわけがないだろう!
それに顔向け出来ないのはお前の部下にだ!
彼等の大事な大将をこんな形で汚してしまうなど!」

「俺は汚れた覚えはないんだが…
アンタが汚点に思うならそうなのか」
「っ! そうではない!
そうではないんだ独眼竜!
っその…」

淋しげに呟いた政宗を、ぎゅうと腕の中に閉じ込める。

「嬉しすぎて混乱していた。舞い上がって…
つまりは」

なおも言い募ろうとする家康に、
政宗は、言葉は要らない、とばかりにその口を塞いだ。
己の唇で。

 

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やらかしちゃった後。
会話だけだと楽ですな。
こっちを本編にするのは自重した。あくまでアナザーヴァージョンです。
 

                                                             【20101007】