「政宗様、この小十郎では不服と申されますか」
「テメェはオレの右目でついでに背中も護るんだろ？
なら隣には並べねぇだろうが」
「それはそうかも知れませぬが…」
「にしても暴走お兄さんも隅に置けませんね☆」
「ham？ 隅に、だと？ 妙な言い回しだな。
そりゃあまるで…」
「相性占いだなんて…キャッ☆
人気者ですもんね☆
目移りして選べなくたって仕方有りません！
きっといい人が見えますよ！」
「政宗様？！
そのような意味でのぱーとなー捜しなのですか？！」
「違う！ whait！
選ぶってどの中からだよ？！
てかそう言う意味で占われても―」
「見えました！
政宗さんと一番相性が良いのは赤い服で赤い鉢巻きで赤い槍の
とにかく赤いお兄さんです！」
「「……」」
「あれっ？ 反応なしですか？」
「何となく予想通りと申しますか…」
「てーかアンタ、
真田幸村とは面識はなかったのか？」
「お逢いした事はありますがお名前は知りませんでした！
幸村さんとおっしゃるのですね！」
「…本当に『視えた』んだな」
「そうですよ？
信じてなかったんですか？」
「否。んなことはねぇが、
ただ占いの結果がどう見えるのか不思議に思っていたところだ」
「いやーしかし旦那が聴いたら歓ぶねー」
「黙っとけよ忍」
「えー。なんでさ」
「っテメェいつからいやがった？！」
「小十郎。こいつの覗き趣味はいつものことだ。
ほっとけ」
「そんな言い方しないで？！ 俺様は仕事なの！」
「違ってたか？」
「……。
とりあえず趣味ではないです」
「面倒臭いのは御免だ」
「え？」
「巫のお嬢ちゃんの占いが確かでアイツと浅からぬ縁があるってんなら
黙ってたって惹き寄せ合う筈だ。
わざわざ言う必要はねぇ。
you see？」
「…男前だねーアンタ。
真田の大将も気に入るわけだわ」
「hum？ そいつぁどうも」
「………」
「巫殿。
先程から難しい表情をしておされるがどうなされました？」
「その…忍のお兄さんは
赤いお兄さん…幸村さんの部下の方なんですよね？」
「ah？
そうだが、どうかしたのか？」
「幸村さんと一緒にそのお兄さんも視えた気がします」
「……っ？！」
「姫さん、そいつはどういう意味だ？」
「多分、同じくらい政宗さんと相性がいいんだと思います」
「んなことあるのか？」
「今回はあくまで『相性』ですから。
未来を視た訳じゃないですからね。有り得なくはないですよ？」
「へぇ…成程ね」
「猿飛？」
「竜の旦那の言いつけ通り、
この事は真田の大将には内緒にしておく事にするよ」
「テメェ、どういうつもりだ？！」
「睨まないでよ右目の旦那。
俺様にも少しぐらいは有利な部分がないと
大将にあっさり敗けちゃいそうだからね」
「敗ける？」
「相性が良いってお墨付きを貰っちゃったからね。
これからは遠慮しないから覚悟しといてよ。
竜の旦……政宗？」
「アンタ、遠慮なんてしてたのかよ。
似合わねぇから止めて正解だな」
「……ほんっと、男前で困るよ……」
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普通に幸村ヴァージョンにするつもりだったのだけれど
何か佐助が出張ったのでこんな結果に。
【２０１１０４２２～２０１１０６０６；拍手御礼用】